柚木麻子『終点のあの子』は、女子高生たちの繊細な心の動きを鮮やかに描いた短編集です。
学校や家庭、友情や恋愛といった身近な世界の中で、それぞれの少女たちが抱える孤独や葛藤がリアルに浮かび上がります。

森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』は、少年アオヤマ君の知的好奇心と、日常の中に潜む不思議を描いた青春ファンタジーです。
小学四年生ながら冷静で理屈っぽい彼は、ある日突然町に現れたペンギンたちの謎を追い始めます。

アーナルデュル・インドリダソンの北欧ミステリー『湿地』は、静謐な筆致で描かれる本格犯罪小説です。 アイスランドの首都レイキャヴィクで老女が自宅で殺害される事件をきっかけに、刑事エーレンデュルが過去の闇を掘り起こしていきます。

『アヒルと鴨のコインロッカー』は、伊坂幸太郎による2003年の小説で、物語の奥深さとキャラクターの成長が絶妙に絡み合った一作です。 作品は、突然の失踪や予想外の展開、そして謎めいた事件が絡み合い、読者を引き込む力を持っています。

薬丸岳『Aではない君と』は、少年犯罪を題材に、親子の絆と「正義とは何か」という問いを真正面から描いた社会派ミステリーです。 主人公の父・哲也は、息子が同級生を殺害したという信じがたい現実に直面し、事件の真相を探ろうとしていきます。

辻村深月『ぼくのメジャースプーン』は、小学生の「ぼく」が、親友の少女を傷つけた大学教授に対して“復讐”を誓う物語です。 児童文学の体裁をとりながらも、そのテーマは驚くほど重く、倫理や正義、そして「言葉の力」を鋭く問いかけてきます。

吉田修一『悪人』は、現代社会が抱える孤独と、人間の内に潜む善悪の曖昧さを鮮烈に描き出した長編小説です。 長崎で起きた殺人事件をきっかけに、加害者・被害者・その家族、そして事件に関わる人々の視点が交錯しながら物語は進みます。